長崎坂宿プロジェクト
建築設計事務所の小笠原企画が手がける「長崎坂宿プロジェクト」は、長崎市特有の斜面地に点在する空き家を、一棟貸しの無人宿泊施設やコミュニティ施設へと段階的にリノベーションしていく取り組みです。2018年にスタートし、これまでに「長崎坂宿OKU」や「casa」など複数の宿を開業するだけでなく、地域住民も利用できる無人コンビニをオープンするなど、複合的な展開を見せています。
本事例の特徴は、車が入らず建て替えも困難な斜面地の空き家を、石畳や日本家屋の趣を活かした観光資源へと鮮やかに反転させている点です。空き家を低コストで改修し、数年で初期投資を回収する高利回りのスキームを確立しています。
SeaGraphの視点では、単一の建物のリノベーションにとどまらず、点在する空き家を連鎖的に再生していくエリアマネジメント事例となっています。特に、観光客の消費を無人コンビニや広場の整備に還元することで、衰退しつつある地元住民の生活インフラをも支える観光と生活のハイブリッド型まちづくりを実現しています。
今後は、周辺の地主や投資家を巻き込んだプロジェクトのさらなるスケールアップや、他地域の斜面都市(尾道や熱海など)へのノウハウの横展開に大きな注目が集まるでしょう。
出典:長崎坂宿プロジェクト 公式サイト
https://www.sakayado.com