みんなのおさかな食堂
兼子漁具が長崎県内で展開されている「みんなのおさかな食堂」は、規格外や知名度が低いために市場に出回らず廃棄されてしまう「未利用魚」を地元漁師から買い取り、子ども食堂や地域の飲食店へ提供するプロジェクトです。おいしく調理された魚料理を安価または無料で提供することで、地域の食のセーフティネットとして機能しています。
本事例の特徴は、水産業における「フードロス問題」と、地域社会における「子どもの貧困・孤立問題」という、一見異なる2つの社会課題を、サプライチェーンを直結させることで同時に解決している点です。漁師には新たな収入源が生まれ、子どもたちには栄養価の高い地元の魚が届くという、Win-Winの仕組みを構築しています。
SeaGraphの視点では、市場経済の規格外資源(未利用魚)を、福祉やコミュニティ形成のための資産として再評価・再分配する、優れた循環型経済モデルであると考えられます。
今後は、ボランティアや補助金に過度に依存せず、未利用魚の加工品を一般向けにも販売するなどの方法で、事業としての独立した収益基盤を確立することが重要になりそうです。長崎発のこの取り組みが、全国の沿岸地域における「水産×福祉」の標準モデルとして波及することが期待されます。
出典:みんなのおさかな食堂 公式サイト
https://osakana-nagasaki.studio.site