「大手町の森」都市で育てる、生態系や水循環を含めた自然の森@東京都千代田区

 

大手町の森

「大手町の森」は、東京都千代田区の大手町タワー敷地内に整備された約3,600㎡の緑地です。2013年8月に完成し、2021年時点で208種類の植物、129種の昆虫、13種類の鳥類が確認されています。2025年には国土交通省の「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)」で最高段階の「トリプル・スター」に認定されました。

本事例は、都心の大規模開発において緑地を付加的な景観要素として扱うのではなく、生態系や水循環、暑熱環境などを考慮した都市環境として整備した点が特徴的です。千葉県君津市で約3年間の「プレフォレスト(本番の場所に木を植える前に、別の場所で同じ環境のモックアップの森を3年間育て、土壌や植物の育ち方、管理方法を検証してから現地へ丸ごと移植する緑化手法)」を行い、植物や土壌の育成・管理方法を検証してから整備しています。

SeaGraphの視点では、都市開発と自然環境を対立させず、開発の中に生態系を組み込んだ点に価値があると考えられます。特に、事前検証を経て実際の都市空間へ森を移植する手法は、他地域の駅前再開発や公共施設整備にも応用可能であり、緑地を「面積」だけでなく、生物多様性や水循環などの機能から評価する考え方も参考になる事例であると考えられます。

今後は、完成から10年以上が経過した森が、周辺の緑地や都市の生態系とどのようにつながっていくかという点に注目が集まるでしょう。日本各地の森や林業の商品を紹介する取り組みも実施されており、都市と山林をつなぐ新たな取り組みへの展開も進むと考えられます。

 


 

出典:大手町タワー 大手町の森 公式サイト
https://the-otemachi-tower.com/otemachi-forest