人おこしシェアハウス
NPO法人山村エンタープライズが岡山県美作市で運営する「人おこしシェアハウス」は、ひきこもりや不登校などを経験した若者を対象とした自立支援拠点です。自然豊かな環境下で最大24名を受け入れており、専門的な福祉スタッフではなく地域の大人たちが日々の生活をサポートします。また、施設内での役割(料理当番など)を果たすことで独自通貨「HOPE」が付与されるプログラムも導入されています。
本事例は、支援施設を「治療の場」ではなく「生活と実践の場」として再定義している点が特徴的です。特に施設内通貨の導入は、小さな貢献を可視化して小さな見返り(少し豪華な食事など)を得るというサイクルを生み出し、入居者の自己肯定感と社会性を段階的に回復させる優れたモチベーション設計となっています。
SeaGraphの視点では、地域の多様な主体を巻き込みながら、当事者のペースに合わせた「社会に出る一歩手前」のステップを構築している点が優れていると考えられます。福祉の専門性に依存しすぎず、地域コミュニティの包容力をシステム化している点は、全国の中山間地域における福祉×過疎対策のハイブリッドモデルとして応用できると考えられます。
今後は、施設内で回復した入居者が、地元企業への就労や地域での定住へとスムーズに移行するための接続支援に注目が集まるでしょう。また、シェアハウスで培われたノウハウや独自通貨の仕組みが、外部の地域社会へどう拡張していくかも重要な焦点となりそうです。
出典:人おこしシェアハウス 公式サイト
https://hito.sanson.asia